こころのことば

1,650円(内税)

からだは動かせなくても、こころは動く

32篇の詩にのせて届けたい、こころの“声”の贈り物


著者:五十嵐 南(いがらしみなみ)
1992年11月18日生まれ。
首がなかなかすわらない―不随意運動による両上肢移動機能障害という障がいをもっています。
立ったり座ったりすることはできません。
横になっている状態がいつもの姿勢です。
移動、食事、入浴、排せつなど、すべてに介助を必要とし、
口から発する音はあっても、言葉を使うことができません。


(まえがき一部抜粋)
わたしは今、22歳です。でも、ふつうの22歳とはちがいます。
立って歩くことができません。行きたいところに、好きな時に、行くこともできません。
何かたいへんなことが起こったとき、自分ひとりで逃げることができません。
食事のときは、両手を思うように動かせないので、かならずだれかに食べさせてもらわなければなりません。
たくさんいろんなことを考えていても、それをすぐに相手に伝えることができません。
考えたり思ったりすることを声に出して話すことができないからです。


わたしのようにことばを声に出せない人も、体を動かせない人も、
みんなのこころのなかにことばをもっています。
そして、いつも、どんなときでも、
それをわかってほしいと願いながら生きています。


(詩 一部抜粋)
さをりのこどもたち

しごとで がんばった さをりが いいものになった
ばっく
てぃっしゅけーす
がくのなかに はいった いえのかざり
みんなの かみをむすぶ かみかざり
ひとつ ひとつが かわいい
うまれて はじめてつくった さをりの さくひんたちは
みなみのこどもみたい

こどもたちは みんなのこころを たのしくしてほしい
であったひとは ゆめを あきらめないでほしい
たくさんの おおきなこころで つくったひとを おもってほしい
くるまいすにのっているひとたちが がんばっていることを しって ほしい
じぶんを ほころにおもうきもちを わかってほしい

こどもたちは それを しずかに つたえるしごとを しています

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